COLUMN / 商品開発・ブランドプロデュース/大ヒットへの道
売れない商品には共通点がある?
これまで本当にたくさんの商品をご相談いただいてきました。その中には、「これは売れそう」と思う商品もあれば、「少し苦戦するかもしれない」と感じる商品もあります。もちろん、どんな商品にも可能性はあります。
しかし、長年 PR に携わってきた中で、売れにくい商品にはいくつか共通点があると感じています。
差別化できるポイントが見つからない
一番難しいのは、競合商品がたくさんあるにもかかわらず、「この商品ならでは」が見つからない商品です。例えば、
- 他にはない特別な成分が配合されている
- パッケージが思わず手に取りたくなるほど魅力的
- 今までにない使い方やコンセプトがある
そんな一つの強みがあれば、そこを起点に PR やブランディングを考えることができます。しかし、そうした特徴が見当たらない商品も少なくありません。そのような商品を見ると、「商品開発をする前に、競合商品を十分に調査したのだろうか」と感じることがあります。
商品開発は、作ることがゴールではありません。市場に出たときに、「選ばれる理由」があることがとても大切です。
広告費があれば売れる商品もある
差別化が少ない商品でも、十分な広告予算があれば認知を広げ、売上につなげることは可能です。しかし、広告予算が限られている場合は、「商品の力」で選ばれる理由が必要になります。だからこそ、スタートアップ企業や中小企業ほど、商品企画の段階が重要だと感じています。
原価と販売価格のバランスも重要
もう一つ、大切なのが価格設定です。以前、とても印象に残っている商品がありました。デザインも可愛らしく、コンセプトも分かりやすく、「これは売れそう」と感じた商品です。
ところが、小ロット生産にこだわったため、どうしても原価が高くなってしまいました。私は「ロット数を増やして原価を下げ、2,000 円台で販売できればもっと広がると思います」とご提案しましたが、さまざまな事情から難しく、最終的には 4,000 円台での販売となりました。SNS では「かわいい」「使ってみたい」と反響がありましたが、価格がネックとなり、思うように販売数を伸ばすことができませんでした。
商品力は十分にあっただけに、とても惜しかった事例として今でも印象に残っています。
商品は、作る前に勝負が始まっている
原価が低ければ、その分、卸会社や販売店にも利益が生まれます。販促費にも予算を回しやすくなり、販売チャネルも広がります。反対に、原価が高すぎると、販売価格も高くなり、競合商品との価格差が生まれます。
販売する側も利益を出しづらくなり、「売りたい商品」になりにくくなってしまいます。私は商品を見るとき、「良い商品かどうか」だけではなく、「この価格で市場に受け入れられるだろうか。」「販売する人も売りやすいだろうか。」
という視点も大切にしています。売れる商品は、商品の魅力だけでなく、原価、価格、販路、利益率まで含めて設計されています。商品開発は、試作品が完成したときではなく、企画を考え始めた瞬間から始まっているのです。